高齢の家族と冬のあたたかさ。安全に暖まるためにできること

快適な温度管理

寒い季節になると、お年寄りの「冷える」「寒い」が心配になります。

体が冷えると転倒や体調不良につながることも。

でも、暖房の使い方によっては思わぬ危険もあります。

怖かった“こたつの中のファンヒーター”

うちの祖母たちは二人ともテーブルタイプのこたつを使っています。

父がプレゼントしたもので、最初は喜んでいたのですが──

気づくと、石油ファンヒーターの温風をこたつの中に送るという危険な使い方をしていました。

一見あたたかそうに見えるけれど、これはとても危険。

一人は実際にファンヒーターが壊れてしまいました。

燃焼部分の過熱や酸素不足、火災のリスクもあります。

「暖まらないから」と工夫したつもりでも、事故につながることがあるんですよね。

エアコンでは「芯からあたたまらない」

エアコンは安全だけど、足元や手先が冷えやすくて「寒い」と言われることが多いです。

ヒーターを併用したり、座る場所を風の当たる位置に変えたりしても、なかなか満足できない。

そんなとき、わたしの家では次のような工夫をしています。

わたしの家で実践していること

灯油の補充はヘルパーさんにお願い

最初は「自分でできる!」と拒否されました。  でも、「持ち上げて両手がふさがった時に転んだら、入院だよ」と伝えたら納得。  「入院」という言葉は、在宅を望むお年寄りにとって一番響くのかもしれません。

今では、祖母宅の灯油が少なくなったらヘルパーさんから連絡をもらうようにしています。

ファンヒーターには安全ガードを設置

本来はペットや赤ちゃん用のものですが、誤って足や服が近づくのを防げます。  おばあちゃんが動くときも、つまずき防止になるので安心。

電気湯たんぽの活用

コードレスで安全なものをベッドや膝の上に使っています。

布団の中に入れておくだけでも、朝の冷え方が全然違います。

フワフワした素材のカバーが温かいので、動物を触っているような癒し効果もあるように感じます。最近では犬や猫のデザインのカバーも見かけました。

気をつけたい暖房まわりのポイント

  • ファンヒーターの風を布で囲まない(酸欠・火災の危険)
  • 洗濯物を乾かすためと近づけすぎない
  • 延長コードの劣化や、たこ足配線に注意
  • 石油ストーブの給油や移動はできるだけ家族・ヘルパーさんが行う
  • 換気の時間を決めておく(一酸化炭素中毒防止)

「寒くないようにしてあげたい」という気持ちはみんな同じ。

でも、安全と快適のバランスを考えることが大事だと感じます。

おわりに

お年寄りの「寒い」を防ぐには、気温だけじゃなく“安心感”も大切。

「これなら安心して過ごせるね」と笑顔で言ってもらえたら、それだけで救われる気がします。

完璧じゃなくても、少しずつ安全に過ごせる工夫を重ねていけたらいいですよね。