デイサービス選びのポイント|2人のおばあちゃんのケースから感じたこと

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デイサービスって、どこも同じように見えて、実はそれぞれ全く違う。

スタッフの雰囲気、利用者さんのタイプ、設備、過ごし方——。

どんな施設を選ぶかで、その人の毎日の気持ちが大きく変わります。

亡くなった祖父のことを思い出し、また、うちの祖母2人を見ていて、改めてそう感じました。

穏やかに過ごしたいタイプの祖母

1人目の祖母は「穏やかに、静かに過ごしたい」タイプ。

外出が苦手で、家が一番というタイプなので何かあったらすぐに帰れることが安心の要素になるので家から車で5分以内ということを希望していました。

最初の頃は「早く家に帰りたい」とよく言っていたので、

午前中にお風呂を済ませて、お昼ごはんを食べてから帰れる柔軟なデイを選びました。

利用し始めて数年。今では「夕方までのんびりしてくるね」と言うように。

同じ施設でも、慣れてくると過ごし方も変わっていくんだなと思いました。

アクティブでこだわり派の祖母

もう1人の祖母は真逆。

とにかくアクティブで、こだわりが強いタイプ。

カラオケ、運動、食事のおいしさ、清潔なお風呂、明るい雰囲気…。

希望を出すたびに、条件がどんどん増えていきました。

以前通っていたデイでは、希望条件を全てクリアする施設でとても気に入っていましたが、遠いため送迎に1時間以上かかることがあり、長時間同じ姿勢で居ることが辛くなったため、別の施設を探すことに。

いくつか体験をして、最終的に選んだのは

理学療法士さんがいて、トレーニングやマッサージを受けられるデイサービス。

見学をしていると、デイによって様々な特徴があり驚いたので次にご紹介します。

デイサービスによって、こんなに違う!

デイサービスは「どこも同じ」ではありません。

実際に探してみると、こんなに特色がありました。

  • 天然温泉や足湯がある
  • 水中歩行用の温水プールがある
  • 麻雀や将棋、カラオケ設備付きの施設
  • 外出レクリエーションや散歩がある
  • 手作りの食事 or 宅配弁当スタイル
  • その日の昼食メニューを2種類から選べる
  • ドリンクバー(コーヒー、紅茶、カルピス・スポーツドリンクなど)付き
  • 酸素カプセルやウォーターベッドなどの器具
  • 理学療法士さんによる運動指導
  • 看護師常駐で医療的ケアに対応している施設も
  • ショートステイの提携があるかどうか
  • ヘッドスパやネイルサービス(月1回程度)

さらに、介護度の軽い人が多い施設/重度の方中心の施設など、雰囲気や会話の内容まで違ってきます。

ショートステイの提携があるか

ショートステイとの提携があるデイは多くはないのですが、

家族の体調不良や急な用事のとき、慣れた施設でそのままお泊りできると安心。

私の祖母も、足に軽度の怪我をしてしまったときに、独居では転倒などが心配で、数日デイの提携のショートステイで様子見をしたことがあります。デイとショートステイは別棟でしたが、スタッフ間の情報共有がされているので、家族としても安心でした。

ケアマネさん任せにせず、「体験して決める」こと

ケアマネージャーさんが紹介してくれた施設をそのまま決めるのもありですが、

実際に長く通うことを考えたら「本人の希望」と「相性」を見ると安心。

  • どんな人が通っているのか(曜日により利用者の方が違うので雰囲気が変わることも)
  • スタッフさんの対応
  • 部屋の明るさやにおい
  • 食事やお風呂の時間の過ごし方

体験利用や見学で一度見てみると、パンフレットではわからない雰囲気が感じられます。

選ぶときのチェックポイントまとめ

  • 本人が「どんなふうに過ごしたいか」の希望に合うか
  • 立地(家からの距離・送迎時間)
  • 利用時間(必要な場合、早帰りや夕方遅くまでなど柔軟性があるか)
  • 食事・入浴・運動などの希望
  • スタッフや利用者さんの雰囲気
  • 医療対応の有無(看護師常駐など)
  • 営業日・年末年始・祝日の対応を確認 
  • 施設を体験利用・見学をしてみる
  • ショートステイの提携があるか

亡き祖父~デイで笑顔と会話が増えた話

亡くなった祖父は、もともとあまり多くを語らない、静かで優しい人でした。

デイに通うきっかけは、自宅での入浴で自力で浴槽から出ることができなくなったことがあり、

デイへ入浴のため通うようになりました。

人付き合いが好きなタイプではなく、最初はデイを嫌がっていたのですが、

お風呂が好きなため欠かさずデイへ通っていました。

デイサービスに通うようになってからしばらくすると、お迎えの時間を楽しみに待つようになり、

職員さんと楽しそうに話す姿を見せてくれるようになりました。

帰宅後は「今日はこんな体操をしたよ」と笑顔で私に見せてくれたり、

今まで聞いたことのない昔話を聞かせてくれたりと会話が増え、

たくさんの思い出ができました。

少年のように表情が明るくなっていく祖父を見るのは、何よりもうれしい変化でした。

少しずつ持病や認知症が進みましたが、老衰で亡くなる直前まで自宅からデイへ通いました。

葬儀の時には、デイの職員さんたちが来てくださって、

まるで家族のように祖父のことを思い出してくれ、悲しみに寄り添ってくれました。

その姿を見て、介護は孤独なことも多いけれど、

同じ時間を共有し、支え合ってくれる人がいるという心強さを感じました。

デイサービスは、ただ「通う場所」ではなく、

その人の人生の中に新しいつながりを生む場所なのだと思いました。

おわりに

デイサービスは「介護のため」だけじゃなく、

本人が心地よく過ごせる“生活の場所”です。

デイサービスは、利用者さんの性格や希望によって合う・合わないがあるけれど、

その人にぴったりの場所に出会えたとき、

日常の中に笑顔や安心が少しずつ増えていくと思います。

介護をする家族にとっても、デイサービスは

「お願いするための施設」ではなく、

一緒に支えてくれる“チームの一員”のような存在になってくれるはずです。